桑野造船株式会社
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世界の造船所事情 その3

2003年11月3日に弊社と委託(OEM)生産契約を結んでいる中国のWUDI社から戻って来ました。ここをを中心とする世界の造艇界に付いての最新報告をいたします。
世界規模で加速する委託(OEM)生産
欧米の造船所は中国で相手先ブランド(OEM)生産を加速しょうとしています。 有名メーカも例外ではありません。エンパッカ社もサンプル発注で具体的検討に入ったそうです。コンセプト社のオールの主要部分は既にほぼ100%中国生産のようです。勿論、中国ブランドのまま、輸入販売を行う商社も各国に出来つつあります。

ちなみに元日本のコーチを務めたH氏はカナダで年間150艇の販売実績があります。 弊社もトレーニングボートを中心に150艇あまりの委託生産を行っています。FISAもトレーニングセンターに艇を入れたり、設計者のクラウツ氏(FISA型設計者)を技術指導に派遣して積極的に支援しています。

まさに造艇界も世界の工場・中国化がバブルかと思えるくらいとてつもない勢いで進んでいます。日本の漕友の皆さんに是非進言したいことは、メーカ・ブランドで艇を決めるのではなく何の目的にどんな性能のボートを購入するかの視点がますます重要になっているとのことです。
新工場竣工
これらの需要に応える為にWUDI社は新工場建設に昨年から着手し、来年1月16日に竣工式を行います。既に一部は操業開始しています。 工場敷地は51,000平方mで工場の床延べ面積は49,000平方mの過去の造船所の常識を破る広大さです。生産艇数はまもなく2,000艇を超えるでしょう。これはやや大きい目のボートメーカの10倍の規模です。このページの工事中新工場写真を参照ください。
クラウツ氏の来日検討
彼は昨年のFISAフオーラムでボートの設計、製造での功績に対して特別賞を受けたのはご記憶にあると思います。昨年までFISAの造艇担当役員でもありました。この年末から年始の間に日本に出かけることも出来るとの回答を得ています。桑野としても製造現場のアドバイスをしてもらうことを検討中です。日本ボート関係者としても彼に現在の世界造艇界事情を聞くのは艇に対する方針決定に役にたつと考えますが如何でしょうか。桑野の招聘がきまりましたら一般講演会も計画しますので改めてお知らせいたします。
2004年アジア五輪予選、2005年世界選手権のレンタルボート
上海での五輪予選では中国WUDI社は希望国にレンタルボートを提供します。但し、中国以外の参加国にはランクの低いボートしか貸せない(貸さない?)と言っています。これは意地悪のように感じますが世界ではよくありうることです。我が国としては自艇をコンテナで運ぶか、日本の選手の希望仕様に基ずいた艇を発注購入して現地使用したあと日本に持ち帰るしかないと思われます。どうも、中国には艇のレンタルと言う習慣はないようです。

長良川の世界選手権では桑野が自社艇及びWUDI社艇のレンタルを計画しています。重量級選手用の艇のレンタルが問題です。国内中古販売の需要の可能性が無いからです。中国メーカはやはり国内事情で持ち帰ることは難しいようです。

レンタル艇の基本は参加国とメーカの自主契約であってボート協会や組織委員会は関係ないのですがアジアでの大会という事情を勘案すると主催者側とメーカの何らかの協調で資金の少ない国の参加を支援する方策が必要と思っています。
世界の造艇に関するフオーラム
1月16日の新工場竣工式には欧米各国の協会とメーカ及びFISA、五輪関係者、中国五輪委員会のメンバー60人がお祝いに参加します。17日、18日は奥方達を上海観光にだして、世界の造艇に関するフオーラム的ミーテングをやろうと言うことになっています。たぶんに商売の話が中心になるでしょうが世界の今後の造艇に関する重要な内容になることは予想できます。

我が国も協会と商売人の造船所は親しく交わってはいけないなんて言っている状況では無いようです。ボー トに関わるフアミリーとしてメーカと協会の協調が求められていると考えています。 日本ボート協会の担当にも参加の誘いの声をかけるつもりです。

桑野の提携工場の場所は上海の南の方向、杭州の近くで富陽と言う町です。上海空港から高速で3時間弱です。この町に中国の造艇メーカのすべて約10社?が集約されています。二番目のメーカは良金(リャンジン)と言います。この他は国内向けの新興の小さいメーカです

古川 宗壽 

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