バランスがなかなかとれないがどうすれば良いのか?と言う悩みは多くのクルーが抱えています。艇バランスに影響をおよぼしている項目をあげて対策のヒントを書き述べます。
- ストロークでブレードの深さが不揃いか、水平に漕げていなくて上下動をしている。原因としてワーク高さが不適当なため正しい深さで漕げていなかったり、ブレード角度が切れ込んでいたり、浮き上がるリギングになっていることが考えられる。リギングを正しく直す事。
- ファイナルでのブレードの抜き上げ動作が不揃いな為、リガーに上下への力がズレてかかっている。フェザーターンのタイミングとターンの水面からの抜き上げ高さを揃えること。
- フォアードでブレードが水平に返っていないか、もしくはキャッチ前でスカイアップしている為に、リガーにかかる上下への力のタイミングがズレている。
- 操舵が大き過ぎて艇を傾ける力が働いている。できるだけ早く・少なく操舵を済ませる事が大切。一定方向に艇が曲がり続けるようなら、一定量の舵角をストローク、フォアードを問わずに引き続けておき、一度に大きな舵を引かない工夫が必要。
- 横風のため艇が傾く場合は、COXが風上側のガンネルに体重をかける。体を傾けるのではなく、腕に体重をかけてガンネルを押える。
- クルーが艇の中心から大きく外れて動いているためにバランスを崩している場合もある。正しく漕ぐ事と、全員が同じ軌跡を同じタイミングで動く事が大切となる。
- COXが艇に対して体重を固定していないと容易にバランスを崩す。艇とCOXの体重が一体になる事でバランス方向の回転慣性力が大きくなって少々の力では崩れないようにできる。そのため、COXは体重を脚・お尻・両腕に分散させて乗る事と、両腕にかける体重を調整してバランスを修正する高等技術も有効である。(上手にやらないと返って崩す)
いずれにしてもローロックは艇の中心から大きく外側にあるため、そこにかかる力は小さくても大きな回転モーメント力を艇に与えバランスを崩すことになります。可能な限りブレードを水平に、かつタイミングを揃える漕法がバランスをとるためには必要なポイントとなります。 |