桑野造船株式会社
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ボートオールカヌー・ドラゴンボートパーツ関連商品コース・施設記念品コラム
 
選手と艇の関係

ボート競技では選手が漕ぐ動作を通じて発揮したエネルギーをもってボートが推進されます。そして、ボートが水や空気から受ける抵抗との平衡によりボートの速度は決定され、競技が争われることになります。漕ぐ動作は2秒に1回程度の頻度、他のスポーツに比べても低周期であり、全力をだして漕ぐ運動相とリラックスして前に繰出すフォアード動作の相が繰り返される間欠的出力形態の持久運動です。

このことは少し競技力の分析をやや複雑にしている面はありますが、選手が発揮するエネルギー量は運動生理学的な知見から、ボートが受ける抵抗は物理学的な理論からその競技力構成が解析できます。言い換えれば他のスポーツに比べて意外性やゲーム性の低い競技であり、競技力を高めるための改善目標を数値等で明確に示すことが比較的容易と言えます。

従来からボート選手の体力はメートル(m)単位で、漕ぐ技術はセンチメートル(cm)の単位でボートの速度を改善するとたとえられてきました。かたやボートの水との抵抗の大きさを決める最大の因子は艇のスキンの表面状態です。水泳競技での鮫肌水着にも見られるように最近では必ずしも平滑がベストとは限らないともいわれています。

また、ボートやリガーの撓み(剛性)は選手から発生されたエネルギーを吸収します。従って、造船技術もメートル(m)の単位でボートの速度を決定することとなり、選手の体力に対抗する重要な要素となります。このように選手と用具が等しく相まって競技力を構成していることがボート競技の最大の特徴です。

アジアおよびラテン系の民族はヨーロッパ人達に比べて体格が相対的に小さいために絶対的なエネルギー出力の大きさで不利です。この理由で長いあいだわれわれはボート競技の国際大会での勝利に縁がない時代が続いていたわけです。また、このことがボート競技が欧米中心のみで行われて世界的普及がおくれた原因でした。

最近になってオリンピック等国際大会に軽量級種目(男子70kg、女子57kg)が導入され、体力ハンデイを負わずにアジアのわれわれにも勝利のチャンスが来るようになりました。日本は2年前に悲願の金メダルを獲得するにいたりました。ところがここにきて、オリンピック種目から軽量級種目を除外する運動がオリンピック競技のスリム化等の理由でヨーロッパを中心に起こってきました。世界全域にボート競技のより一層の普及を考えるならば各国のエゴを超えた論議が期待されるのです・・・。

一方、競技ではなく自分のペースでのボート漕ぎ運動は程よい全身持久運動になります。自然のなかでのボート漕ぎは一般の人達にとっても魅力的です。ボートは若者のためだけのスポーツでは決してありません。そして健康と体力増進のための生涯スポーツとしても適している運動と考えられます。生涯スポーツと競技スポーツの垣根をとりはらい、これらの両面から日本のボート競技を発展させようとする施策が我が国には待たれていると思います。そのような楽しみのローイングや障害者スポーツ用のボートも桑野造船は造ってまいります。
<最高のパフォーマンス発揮>
漕手とボートの性能が相まって高いパフォーマンスが発揮できる。
<選手あるいは艇に問題がある場合>
漕手または艇のみが良くても成績は上らない。ほど良いバランスが大切。
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