桑野造船株式会社
お問合せ ご注文 見積依頼 ダウンロード 会社案内 
ボートオールカヌー・ドラゴンボートパーツ関連商品コース・施設記念品コラム
 
エルゴ出力とスカル出力の関係について
基本ローイング能力・バランス能力
ここで、改めてスカルスピードを整理してみると、
 VS = 0.966×3√{WE(1-η)/Δ2/3)×(1-β)/gA}
    = 0.966×3√{(基本ローイング能力)×(バランス能力)}

のように、2つの要素に分解することができる。

WE (1-η)/Δ2/3 は体重に対応した出力であり、“基本ローイング能力”を表す。
(1-β)/gA は、ハル形状に対する不投入パワーの大きさ、すなわち、そのハルをどれだけ乗りこなせているかを示すもので、“バランス能力”を表す。
したがって、横安定(バランス)が悪いが、より抵抗の少ないスカルの上で、持てる出力を発揮できる漕手は、高いバランス能力を持つということになる。

基本ローイング能力は、ボートの基本であり、すべてのボート漕手はまずこの能力が大きいことが要求される。
  • R.Waddell  577(1-0.15)/1202/3 = 20.14 (W/kg2/3)
  • D.Takeda  398(1-0.12)/902/3 = 17.43 (W/kg2/3)
  • N.Matsuno 349(1-0.2)/1052/3 = 12.54 (W/kg2/3)
が、基本ローイング能力であり、世界・日本・マスターズのレベルの差がよくわかる。
これにバランス能力を乗じると、スカルスピードが計算できる。

A = 0.0148のボートで共通とすると、バランス能力は同じハルであれば
  • R.Waddell  (1-0.14)/0.0148g = 5.92 (m/kg1/3)
  • D.Takeda  (1-0.1)/0.0148g = 6.20 (m/kg1/3)
  • N.Matsuno (1-0.27)/0.0148g = 5.03 (m/kg1/3)
となって、大きな差を生じ、これが最終結果であるスカルスピードを決める。
  • R.Waddell  0.966×3√(20.14×5.92) = 4.754 (m/s) →2000m 7'00.0
  • D.Takeda  0.966×3√(17.43×6.20) = 4.601 (m/s) →2000m 7'15.0
  • N.Matsuno 0.966×3√(12.54×5.03) = 3.845 (m/s) →500m 2'10.0
のように、WE,η,βからスカルスピードが求められる。

 前へ /3/ 次へ

桑野造船株式会社  〒520-0357 滋賀県大津市山百合の丘10-1 TEL 077-598-8090 FAX 077-598-2505 E-mail kuwano@k-boat.co.jp